現在、オールドカメラ&レンズ断捨離中。ふだん使わないものを潔く処分して、今後も使い続けていきたいものだけ残す、あるいは本当に自分が好きなものに買い換える。
で、ブラコンなのである。ブラザーコンプレックスのことではない。ブラックコンタックスである。天の邪鬼な私は、ライカよりもコンタックスのカメラとレンズに心引かれる。なかでも最初のレンジファインダーカメラであるコンタックスⅠ、通称ブラコン。
改めて、このブラコン、なんともマニアックなカメラである。操作しづらい。なんでここに巻き上げノブがあるの? どうしてシャッタースピードの設定にこんなお作法が必要なの? でも、測距の基線長がライカに比べて断然長くて正確だし(その代わりいつも右手で距離計窓を塞いでしまいがちなのだが)、リボンを使った縦走りシャッターの感触がタマラナイ。
若い頃から何度も使ったことのあるカメラだが、最近になってこのブラコン病がまた再発にしてしまっている。でも、なにせ90年も前のカメラで、なおかつこれほど複雑な機構のため、完調な個体に巡り会うことはますます困難を極めている。販売する方も保証期間に故障が頻発すると商売にならないのであろう。ブラコンの修理をこなせる職人さんもかなり減ってきたと聞く。2022年の今、再び実用に耐え得るブラコンを入手することはなかなか至難の業である。高速シャッターのムラはないか(リボンの左右ともがきちんと正しいサイズのモノにしてあれば問題は起きないそうだ)、ネズミ鳴きの低速シャッター時に光線漏れはないか、二重像の縦ズレはないか、などなど、クリアしなくてはならいポイントがいくつもある。
ということで、現在手元にあるブラコンは最初期の1932年のもの(ver2)。ネズミ鳴きのスローシャッターは付いていないが、その分カメラ自体の重量も軽く、これなら気軽に毎日持ち歩ける。このブラコンに基本中の基本の同年代のテッサー5cm,f3.5を付けて撮影。

Tessar 5cm f3.5 (C mount pre war) + ContaxⅠ + XP2 400