ハッセルブラッドの初期型マグニファイングフードを買った。決して珍品でもなく、割と安価でよく見かけるアクセサリーだが、今まで程度の良いものがなかなか見つけられずにいた。別名チムニー(煙突)ファインダー。通常の折りたたみ式フォーカシングフードはいくつも持っているし、露出計付きのPME(プリズム)ファインダーで実用は十分事足りているのだけれど、やはり、これがないと。

初めてハッセルに憧れたのは、ご多分に漏れず、ミケランジェロ・アントニオーニ監督の映画『BLOW-UP』を見た時である。デヴィット・ヘミングス扮する売れっ子カメラマン(モデルは当時一世を風靡したファッションカメラマンのデヴィット・ベイリー)がいつもスタジオで三脚に据えていたのが、このマグニファイニングフードを付けた500C。
四年ほど前に、500Cのボディとレンズとマガジンを、この映画ができた年の一年前の製造年のもので揃えたが、この初期型マグニファイングフードが加わることで、ようやく『BLOW-UP』版ハッセルブラッド(?)の完成である。
さて、この初期型マグニファイングフード、実用的にはどうか。拡大率は2.5倍でそれほどでもないが、視度調整が無限に出来るし、ゴム製の接眼部の形がエルゴノミックなので、裸眼でもフォーカスポイントをクリアに確認出来る。また、目測が基本のSWCでも、フォーカシングアダプターにこれを付ければ、かなり詳細にフォーカスポイントを探ることができる。(まずはバルブにしてフォーカスを決めてから、またマガジをン付け直して、とかなりの手間だけれど)

いずれにしても、カメラ好きにとってあの映画『BLOW-UP』(『欲望』)はサイコーだった。初めて映画館で見たのは高校生の時。すでに制作から10年ぐらい経過していたけれど、このハッセルブラッドはもちろんのこと、ニコンFもバツグンにカッコよかった。キャストも、若きヴァネッサ・レッドグレイブ(当時、高校生の自分は、彼女とアヌーク・エーメの顔立ちの区別が付かなかった)、ジェーン・バーキンなどなど女優陣も豪華。おまけにヤードバーズ時代のジェフ・ベックとジミー・ペイジも映っている。
このハッセルのセットで、ひととき、60年代のスウィンギング・ロンドンの雰囲気に浸ってみるのも一興。
all photos taken by AE Mirco NIKKOR 105mm F2.8 D + Df


