時折無性に、根岸駅や山手駅で下車して、横浜の根岸旭台や大芝台あたりを歩き廻りたくなる。根岸駅からユーミンの歌で有名なドルフィンまで、小学校裏の急な坂道階段等を経由して登っていくと、まだ5月の初めだというのにジワジワとシャツの下が汗ばんでくる。ドルフィンから横浜駅根岸道路を折れ、右手に柵で覆われた根岸米軍住宅(今年返還予定)沿いに歩く。前方に旧一等馬見所が見えてくる。広場からの山下公園方面の眺めがすがすがしい。

第一馬見所

 そこから中華義荘までは10分もかからない。横浜の外人墓地といえば中島敦の記念碑もある中区山手町の外人墓地が有名だが、この華僑の方たちの眠る中華義荘(地蔵王廟)はとても風情がある。(ねじめ正一の小説『荒地の恋』でも、詩人北村太郎の住んでいたアパート近くの描写として何度かこの辺りの風景が登場する。)

 ここは、いつ行っても、かぐわしいお香が焚かれていて(全然抹香臭くない)、廟内は薄く白く煙っている。そしてこの季節、どこか近くで咲いているジャスミンの花の香りとも溶け合ってまるで桃源郷のよう。その中で、高貴な黄色の服を着た秀麗な若い女性が、跪拝(きはい)叩頭(こうとう)して一心に祈りを捧げていた。。

地蔵王廟


all photos taken by Summicron 50mm f2 4th + M6 (with leicavit M) + Fuji100