あと一ヶ月もすると冬至。5時を過ぎればすぐに夜がやってくる。車のヘッドライトを点け、ハンドルを右に切ると、ここはどこだろう? 初めて通る道、見知らぬ道だ。路肩に車を停めフロントガラス越しに木々の、建物のシルエットを眺めていたら、久しぶりにあの「哀しみ」がやって来た。闇が夜が、つくづく心細いのである。小さかった頃みたいに。一度閉じ込められたら、この闇はもう永遠に明けないのではないだろうか。誰かに傍にいてほしいのに守ってほしいのに、誰もいない。もしもこのまま明けない夜をずっと走り続けなくてはならないとしたら。闇の中に置き去りにされる情景がまぶたの裏に映し出される。迷子になった情景がまぶたの裏に映し出される。シンシンと冷え込んだ世界がヒタヒタと私の中に浸透してくる。

森

@ Trolls in the park

Summaron 35mm f2.8 L + Ⅲg + APX400