最近は戦前(第二次世界大戦前)のレンズばかりという話の続きである。これは1937年のロシア製広角レンズ、FED 28ミリである。

 けっこうやっかいなレンズである。L39マウントなのにフランジバックが微妙に違って無限遠が出ない。ライカのカメラにマウントしても距離計は合致しない。しかたがないので、ストッパーのビスを外してみた。無限遠の位置を越えてレバーを回せばなんとか無限遠が出る。

 所有している個体には珍しく曇りがほとんどない。なのに、画面全体が独特のフレアに包まれ、周辺光量がグンと落ち、まるで収差の激しいシネレンズのような世界である。

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FED 28mm f4.5 + α7S