生まれた街の、今はもう廃業してしまったデパアトの入り口に、死んだ父親と母親が立っている。ふたりの後をついて行き、デパアトの誰もいない一階のフロアを抜けると、一機だけエスカレーターが動いている。でもそれはキューブのトンネルみたいなエスカレーターで、五十センチ四方の開口部に上半身を潜り込ませると、中には薄暗くて酸いた匂いが立ちこめていた。古くなったワインがあちこちに零れているような匂いである。こんなエスカレーターの中に入ったら体中に葡萄の滓が付いて服がダメになってしまうよ、というところで一度目が覚めた。(これが3時半頃のことか)次に、誰かの部屋で、僕はアンティックな瓶に入った香水を嗅いでいる。瓶にはゴールドのリボンが巻き付けられている。香水は昔流行ったゲランの「夜間飛行」みたいにとても濃密な香りだ。(これが5時半頃のこと)
深い眠りが3時間を超えて表示されたのは久しぶりである。このautosleep、本当によくできている。apple watch を手首にはめて寝るだけで、心拍数の変化等でレム睡眠、ノンレム睡眠の詳細な可視化が可能である。いったいどうやって? といささか疑問に思うのだが、朝起きた時に感じる睡眠実感と、夢を見たタイミングは見事にこのグラフと一致している。
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