社会人になったのは1984年。あれから35年。世の中はずいぶんと様変わりをした。その間のデバイスの進化はすさまじかった。固定電話は携帯電話に、そしてスマホへ。ワープロはパソコンに、そしてタブレットへ。手紙はメールに、そしてSNSへ。カセットテープはCD、MDを経て、今はデータ配信がアタリマエ。あの頃、インターネットがここまで発達するとは誰もが考えてもみなかった。来年は2020年。通信も5Gの時代を迎えて世界中がデータで覆われるようになる。リアルとバーチャルは完全にシームレスになっていく。

 でも、リアルな世界に限って言えば、大して劇的な変化はない。先日、80年代後半のバブル時代のトレンディドラマをオンデマンドで見ていたら、主人公たちの住む部屋はどれもモダンだったし、調度品もセンスがいい。洒落た車が毎日の生活の必需品になっていて(どう見てもお酒を飲んだ後に運転しているのではないかと思われるシーンはいくつもあったけどw)、主人公たちが通うレストランやバーもみんな気が利いた店ばかり。たしかに当時、我々はリアルなモノ・コト、そしてヒトに必死になってお金と時間をかけていた。

 この35年間で、ほんとうに世界は豊かになったのだろうか? スマホでARアプリを起動させながら眺める現代の景色と、コール音を聞きながら公衆電話のガラス越しに眺めたあの頃の景色と、そのどちらが世界の認識の仕方として上等なのだろうか。そんなことをふと考えてしまう、2019年の年の暮れである。

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