まことにもって恥ずかしながら、ではあるが、3年目にしてようやく「研究する」ことの大変さがわかってきた。どんなテーマであれ、自分が「思い付いた」などと思っていることのほとんどには、既に近しい先行研究が幾つも存在している。それらをきちんと読み込むだけで膨大な時間がかかる。それでも、前職での習慣からか、組み合わせの妙に頼ればなんとかなるだろう、brand new なことが言えるだろう、自分はそこで勝負するのだ、などと安易に思ってしまうところが多分にあったのだが、実際に論文として文字で書き連ねていってみると、そうした自負めいたものはすぐにチャイルディシュな恣意性として露呈してしまう。

 でも、3年目にしてようやく「研究する」ことに熱中できるようにもなってきた。自分の論旨の流れの中で必要になってくる資料を調べ尽くすことは、大変だけれど楽しい。国会図書館に行く。より深度を高めるために所蔵先等に問い合わせる。そうして、直接著者や学芸員の方にお話を伺う機会を得ると、研究者のみなさんの日頃の調査研究の精緻さには改めて頭が下がる思いである。

 幸い、自分が現在所属している学部は「コミュニケーション学部」で、コミュニケーションの名の下にほぼあらゆることを研究対象にすることが可能なのだが、でもそれゆえにこそ、自分の出自である「広告コミュニケーション」研究を決しておろそかにすることなく、そして、自分の経験が及ばない他の研究分野に関しては、謙虚に、でも貪欲に、どんなことでも学ばせていただきたいと思う今日この頃である。