トレンディドラマ。現在では死語に近いだろう。かつて民放各局が人気俳優、女優を起用して放映したオシャレな夜9時枠の恋愛ドラマのことである。代表作は、やはり「東京ラブストーリー」だろうか。平均視聴率20%、最終回は30%を超えた。脚本は坂元裕二さん。30年近く前の作品だが、今でもロケ地松山の梅津寺を訪れるファンが絶えないと聞く。私もオンタイムで「東京ラブストーリー」を見ている世代であるが、でも、同じ坂元さんの脚本ならば、2004年の「ラストクリスマス」の方が好きかもしれない。

 トレンディドラマの基本はメロドラマ。甘くて切ない恋の駆け引き。「東京ラブストーリー」も「ラストクリスマス」もメロメロのメロドラマであるが、紆余曲折の後、すべてがハッピーエンドで終わる「ラストクリスマス」の方がより安っぽくて劇画チックなメロドラマの真髄を感じるからだ。どちらも主演が織田裕二だし、主人公の勤めている会社名も同じ「ハートスポーツ」。同じようなシチュエーションやセリフも散見される双子のような作品である。でも、主人公の描き方が正反対だ。「ラストクリスマス」の方の織田裕二には優柔不断さがみじんもない、学生時代からの恋人よりも、四ヶ月前に出会った新しい恋を躊躇なく選ぶ。で、その選ばれた恋人が矢田亜希子演じる青井由季。このキャラ設定がタマラナイ。清楚な美人、でも、彼女はもとレディース。時折出る元ヤン言葉がタマラナイ。

 さて、メロドラマであるからには音楽が大切。メロドラマのメロとは音楽のことである。ゆえに、トレンディドラマは必ず主題歌とセットになっている。「東京ラブストーリー」には小田和正の「ラブ・ストーリーは突然に」、「ラストクリスマス」にはもちろんワムの同名の名曲である。そして、素敵なサウンドトラック。




 複雑なストーリーテリングに疲れたらメロドラマがいい。メロドラマの安っぽさが心地よい。ちなみに、クルト・ヴァイルが作曲した「三文オペラ」にもメロドラマと題したシーンがある。




 久しぶりにドラマ「ラストクリスマス」なんぞを想い出したものだから、無性にスキーがしたくなってしまった。台風の後はいよいよ梅雨明け、本格的な夏到来だというこのタイミングでw