今年の全英(ウィンブルドン)テニス男子決勝はスゴかった。ジョコビッチ対フェデラー。第1シードVS第2シード。試合はフルセットにもつれ込んでファイナルセットはなんと12対12。それでも決着が付かない。最後の最後のタイブレークでかろうじてジョコビッチが勝利。試合時間5時間。テレビ観戦は月曜日の早朝まで続きおかげさまで睡眠不足である。

 ホンモノの超一流選手というのはどこが違うのか。ふたりの試合運びを見ていてよくわかった。ピンチになった時こそ守りに入らず大胆に攻め続ける。これ、言うは易しだが、冷静なセルフコントロール能力と、そしてなによりも勝つことへの執念がすさまじくなければ決して為し得ないこと。世界トップの技術力と合わさって、両者のほとんどのショットはオンラインギリギリの応酬である。

 フェデラーはもうすぐ38歳。勝てばウィンブルドン最年長優勝記録がかかっていた。他の選手だったらもうとっくに引退していてもいい歳なのに、あの死闘を演じても息切れひとつしないタフさ。ジョコビッチだって33歳、もう若くはない。今回のジョコビッチは、審判の微妙なジャッジにもクレームひとつ入れず、プレー中の声も控えめで終始沈着冷静。ふたりとも情熱と勝利への執着を胸にたぎらせながら、「青ざめて」いた。

 最近では、なにがなんでも勝ってやる、というのはダサいことなのか、そうしたことに敬遠気味の若い人が多いように思う。もうひとつ上を目指してやろうという貪欲さを感じない。無理せずほどほどに日々の安寧を、ということなんだろうけれど。

 ジョコビッチとフェデラー。それにもうひとりのベテラン、ナダル。この三人はほんとうに格好いいと思う。ビック3の時代はまだまだまだまだ続きそうだ。