大学で院生の方を指導させていただいていることもあり、また、この四月から自分の扶養家族が大学院に進学することもあって、最近、これからの時代のより専門性の高い教育とはどうあるべきかについて考えることが多い。

 2011年以降、学部を出て院に進学する人の数は減少傾向にあるようだ。修士課程2年が加わることが就職の際に有利に働くとは限らないこと、逆に条件が悪くなる場合も多いと指摘する学生さんも多い。ましてや博士課程まで進みアカデミズムを極めたとしても、その後にパーマネントの研究者の道が確実に約束されるわけでもない。そして、その間の学費の問題がある。また、就職が遅れることによる生涯年収の差異を考えると、大学院進学に二の足を踏むのも当然かもしれない。

 今回、大学院生を扶養する立場になって金銭面のことは切実に身に染みて感じるようになった。決して安くはない入学金や授業料、これらは税金の控除対象にならない。それは学部生に関しても同じだが、その分学部生の場合は特別扶養控除枠があって23歳未満の(つまりは学部に所属している大学生の)子を持つ親は63万円の特別控除が許されているが、これが院に進学してしまうと使えなくなってしまうのだ。通常の38万円に戻ってしまう。この63万と38万の差25万円はけっこう大きいことが、今回確定申告の計算をしていて実感した次第である。

 このように、本人にとっても扶養する親にとっても、大学院進学には将来への不安や経済的な負担が大きくつきまとう。でも、今の時代だからこそ、より専門性の高い勉学がますます必要になってくるのではないだろうか。どの分野においても「イノベーション」を求められる現代においては、よりいっそうの専門性を磨くこと、そしてそれらを異種交配する能力こそが肝要だ。社会全体がそうした努力をする人間をもっともっと支援しリスペクトすべきなのではないだろうか。

 ま、それはさておき。せめて大学院生を扶養する親には、引き続き特別扶養控除を認めてもらいたいものです。トホホ。