1月19日と20日は大学入試センター試験の日。一昨年から大学教員になった関係で、このセンター試験がまた身近なものに感じるのであるが、思い起こせば、その前身である共通一次試験は自分の人生にとってずいぶんと因縁深いものであった。1979年、まさにこの共通一次試験の初年度にブチ当たってしまったのが我々世代だからである。この試験のせいで(あるいはおかげで?)自分の人生は当初の予定からは大幅な狂いが生じたようである。。
 現役の時、このマークシート方式の試験で思いのほか高得点が取れてしまい良からぬ欲が出た。で、生粋の文系の自分が医学部なんぞを受験してしまったのである。結果は見事に惨敗。浪人生活を余儀なくされる。一年後、今度こそはと初心貫徹で望んだ二年目の共通一次は、前年とはうって変わって散々な成績。第一志望だった国立大学の文学部が当時どういうわけだか一次重視を打ち出していたため、二次で一発逆転を狙える大学に出願をくら替えするしか方法がなくなってしまった。
 もしも現役の時、素直に当初の予定通りの出願をしていたら、いや、そもそも共通一次試験なんてものが実施されてなかったら、その後の自分の人生はどうなっていただろうと思うことがある。たぶん、サラリーマンにはなっていなかったのではないだろうか。順当に第一志望の大学に入り、そのまま大学院に残って英文学か仏文学の研究者を目指していた気がする。

 あれから三十余年後、企業の職を辞して大学教員の公募に応募しようと思ったのは、ひょっとして、あの18歳の時の想いがずっと残っていたからではないだろうかと思う時がある。そういう意味では、共通一次試験(=センター試験)は自分の人生を遠回りさせた、でも、その結果として当初の予定よりもかなり幅広く面白い風景を見せてくれた、やはり自分にとっては因縁深いものだったとつくづく思うのだ。

 浪人の時、京都の某大学の会場で共通一次を受験し、理科の答えあわせをしたら正解が半分も取れてなくて、悔しさやら怒りやら後悔やら、この先の人生への不安やら両親への申し訳なさやらで涙が止まらなかったあの寒い日のことを想い出す。

 受験生のみなさん。人生とはその都度オルタナティブなさまざまな選択をしていかなくてはならないものだけれど、最後の拠り所はみなさんの年頃にみなさんがなにを想ったか、その原点にあると思います。平凡なことしか言えないけれど、自分らしく、この寒い受験シーズンを無事乗り切って欲しいと切に願います。