夜中に目が覚める。部屋の中の闇の色で今が何時頃なのかがわかる。ほとんど間違えることはない。誤差は10分程度だ。

 今は、まだ3時前だろう。案の定、枕元の時計の針は2時50分を指している。寝入ってからまだ2時間ほどしか経っていない。上出来だと思う。2時間も眠れれば上出来。これを2セット、できれば3セット重ねられたらそれでいい。ノンストップで6時間も7時間も眠り続けるなんて、もう何年も経験していない。

 2〜3時間のショートスリープの間、必ず夢を見る。随分とハッキリとした夢を。書き付けておけばりっぱな夢日記になるだろう。医者に相談したら、たぶんノンレム睡眠の時間が少ないんでしょうね、と言われた。

 眠ろう。あとワンセット眠ろう。スマホでメールをチェックするなんてもってのほか。読書灯を付けて小説の続きを読むのも控えよう。このまま、闇の中にじっと身を横たえたまま、あと2時間か3時間。眼球がぐるぐる動いているレム睡眠で構わない。体を弛緩させられる眠りであればなんだって構わない。

 ほどなく夢の続きが始まった。最近は寝入らなくとも、こうやって体を休めて静かに目を閉じているだけで夢が勝手にジェネレートされていく。脳も体もまだ明らかに覚醒しているのに。それが証拠に、左手の人差し指で鼻の頭を掻くことが出来る。右足を立て膝付くことも出来る。体中の随意筋を自由に動かすことが出来る。なのに、頭の中ではひとつのイメージが形になり、自由に動き始め語り始める。荒唐無稽な物語がジェネレートされていき、その上映を覚醒したまま眺めることが出来る。

 夢と現実の境目がなくなっていく。医者には、睡眠中も脳があまり休んでいないんですよ、と言われた。だから、いろんなことが修復できない。リセットできない。その結果、頭の中はノイズだらけになる。そしてエラーが起きる。

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Summilux 50mm f1.4 ASPH. + M10-P