小説家の「住野よる」と言えば、とにもかくにも『君の脾臓をたべたい』が有名だが、(映画化された際の浜辺美波の演技はスバラシかった!)小説としてはこちらの方が好きである。『また、同じ夢を見ていた』。文庫本が出たので再読していたのだが、台風の夜に鞄の中に入れて持ち運んでいたためか、こんなになってしまった。(涙)

住野よる

 とても平易な文章で書かれているが、これはある意味、哲学書だと思う。

 「幸せとは、自分が嬉しく感じたり楽しく感じたり、大切な人を大事にしたり、自分のことを大事にしたり、そういった行動や言葉を、自分の意思で選べることです。」

 といった、人生の指南書でありつつ、この世界の認識の仕方についての、これは正当な哲学書でもあるのではないか。読み終えたあと、バートランド・ラッセルの「世界五分前仮説」のことを思い出してしまった。タイトルのせいかもしれない。『また、同じ夢を見ていた』。