5月19日。今日は亡父の誕生日である。大正14年(1925年)生まれなので、生きていれば今年93歳である。

 父親が死んだ時、自分はまだ36歳で平成7年生まれの長男は2歳にもなっていなかった。だからまだ自分自身は親らしい自覚もないままに父親を亡くしてしまったことになる。彼がもう少し長生きしてくれていたら、お互いに親の立場での会話が出来たのにと思う。いろんなアドヴァイスをもらえただろうにと思う。

 個人事業主としてずっとひとりで家族四人を養い続けてくれた父親。自分も遅まきながらサラリーマンを辞めたので、フリーで生きていくことがどれだけ大変なことか今では身に染みてよくわかる。でも、だからこそ、彼は生涯現役で自分の生業にこだわり続けることができたのだろう。晩年になっても、やることがなくてぼんやり惰性で過ごしている姿なんか一度も見たためしがなかった。格好よかったなあと思う。いつも自分なりの強い意志と実行力があった。そして、子どもたちの自由を誰よりも応援してくれた父親。

 でもねえ、親というのは、やっぱりナカナカに大変な役柄ですね。……そんな本音話をあなたとじっくり話してみたかったです。いろいろ愚痴も聞いて欲しかったし。男同士の、ね。

花

Xenotar 80mm f2.8 of Rolleiflex 2.8E + Portra400