若い頃からオールドカメラ&レンズフリークである。ライカ、ローライ、ハッセルの御三家を中心に、20年ぐらいかけてコツコツ買い集めた。今に比べればまだまだリーゾナブルな金額だったし。そして、次のお目当てが欲しくなれば、手持ちのいくつかを売りに出し、の繰り返し。株と同じ。

 でも、ここ10年ぐらいはその体力も財力(というか投機力)もないので、新しく買うものといえば、安価な1万円以下のロシア製や旧東ドイツ製、国産のものに限られる。

 で、改めてゾルキーなのである。Zorki。ロシアのライカコピーカメラ。このタイプは1977年製。レンジファインダーの最終形。ライカのバルナックとM型のいいとこ取りをしている。シャッターダイヤルはM型同様、高速・低速一体型。フィルム装填も簡単。でも、M型からは省略されてしまった視度調整ダイヤルは残されている。そして、ファインダーの倍率が等倍なのである。M3みたいに。

zorki

 ロシア製は個体差が、とはよく言われることだが、このモデルなら精度もしっかりしている。巻き上げのコマ間も安定しているし、シャッターも低速から高速までしっかり動く。造りだって堅牢。きれいな美品でも1万円を超えることはない。50ミリの標準レンズを付けても2万円以下。ジュピター50ミリはコンタックスのゾナーコピーなので写りも秀逸。

 ゾルキー。「鋭い視線」という意味だそうだ。昔、ドイツとソ連の二重スパイにゾルゲという人物がいたが、ゾルゲもまたゾルキーを使っていたのだろうか?