今日は亡母の命日である。四年が経った。彼女はきっと、この四年間の私の人生の迷走をハラハラしながら見ていたに違いない。(本人は迷走とはさらさら思ってなかったけれど)草葉の陰から「きれいごとばかり言ってないで、実を取りなさい」と叱咤していたかもしれない。「どんな状況になっても、自分の能力だけで生きていけるための土壌作りをしたのは、もとはと言えばこの私だからね」と恩着せがましく言っていたかもしれない。

 今日は梅雨の晴れ間。近くの山までトレッキングに行ってきた。そうして、展望台から街並みを遠望しながら、一分間だけあなたのことを思った。性格があなたに似てしまったことについてちょっとだけ恨み言を言った。小さい時からいろんなチャンスを与え続けてくれたことにたくさんのありがとうを言った。そして、もう決して戻ることのない決定的な不在について、一分間だけ思いを馳せた。

展望台

GR 18.3mm f2.8 of GRⅡ