最近のクルマ。エンジンはスタートボタンを押すだけ。イグニッションキーを捻る、なんてシズル感はもはやない。アイドリング時にはエンジンは自動的にストップ。これ、燃費改善にはとてもいいことなんだろうけど、停止の度にエンジンスタートとストップを繰り返されるのは慌ただしくてしようがない。各種コントロールは液晶画面のタッチパネルで。スマホ感覚?いや、これはもうスマホそのもの。でも、液晶が壊れちゃったらどうするんだろう。空調すらコントロールできなくなるのでは。そもそもがこのリモコンキー、コイツの電池が消耗したら、ドアは開けられないわエンジンはかけられないわの全くの機能不全に陥るわけで、緊急時の対応力という点ではどうなんだろう?

 最近のクルマのデザイン。外観がカッコいいのものもあるけれど、現代のクルマはみんな、構造的な見地からすればデザインが破綻していると感じるのは私だけだろうか。重いエンジンやシャシーを搭載したクルマというのは基本は鉄の塊。それなのに、それに組み合わせる部材が厚ぼったいプラスチックや樹脂類ばかり。これは、全体の軽量化や安全上の衝撃緩衝のためには正常な進化だとわかってはいるものの、メカとしての素材の統一感がまったく感じられなくなってしまった。インテリアのハリボテ感がそれを象徴している。これはどんな高級車だろうと大同小異。

 とまあ、ブツブツ文句ばかり言っていてもしようがない。次のクルマは便利な情報家電と割り切って選ぶしかあるまい。で、60歳になったら、ジャガーのE-typeとかメルセデスのバゴダとかアルファロメオのジュリアとか。そのあたりの美しきヴィンテージものをセカンドカーに。そんな日々が訪れることを夢見て、日々の仕事に励むといたしましょう。。