テニスラケットを新調してしまったのである。久しぶりのデカラケである。普段はバボラの300グラムのピュアドライブを使っていて、これ、ストロークは申し分ないのだけれど、最近ダブルスでのボレーのミスが多くて、…先日、馴染みの店の店員の方に「これ、魔法のラケットですよ…」と耳打ちされてその気になってしまい、今買える一番デカい(125平方インチ!)ウィルソンのラケットを衝動買いしてしまったのである。
通常のデカラケは軽過ぎて打感が今ひとつなものが多いが、これはけっこう重さもあって試打した感じがとても良かったのである。が、それよりもなによりも、まずもってこのルックスが気に入ってしまったのである。なんだ、このガットの張り方は!まるで扇みたいじゃないか、と。
ちょうど扇にまつわる小説を読んでいたところで(原田マハさんの「サロメ」を読んでから、ここのところずっとオスカー・ワイルド熱が再熱していて、先週も「ヴィンダミア卿夫人の扇」を十数年ぶりに再読したばかりだったのである)、それ以来、頭の中にアールヌーヴォー風の優雅な扇の形が浮遊していて、で、このラケットである。
ということで、この世紀末風の扇みたいなデカラケを本日テニスコートで試してみたのであるが、サーブは200キロを超えるわ(ウソです)、ボレーは万能壁みたいで確かに「魔法のラケット」だったのであるが、あまりにフレームが高反発過ぎるのか振動がピリピリ肘に来て、一時間足らずでテニスエルボーが再発してしまった。ううむ、ナチュラルを張ったんだけど、この扇みたいなガットの張り方のせいで振動止めの効果があまりないようなのである。せっかく買ったのに。…とほほ。これもワイルドの「ヴィンダミア卿夫人の扇」のせい?
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