どんなにデジタルカメラの画素数が上がろうと、どんなに秀逸な非球面レンズが発売されようと、これからもずっとフィルムカメラにオールドレンズを付けて撮影し続ける、と思う。

 戦前のレンズは周辺は収差で流れ光量の落ちも激しい。でも、その分だけ中心部分が浮き立ち、そこになにかしら秘密めいた物語が隠されているような雰囲気を醸し出す。そして、フィルムグレイン。この独特の化学の粒子が空気感に色っぽい傷(キズ)を付ける。

 被写体は、山下公園から眺めるホテルニューグランド。ここにはマッカーサーズ・スィートがある。ナポリタン、ドリア、プリンアラモード発祥のホテルでもある。ま、それはさておき、ニューグランド。まずもってホテルの名前がいい。そして、このロゴの書体がいいのである。

new grand

Summar 5cm f2 L + Ⅱf + TX400