運転免許の更新の案内葉書が届いた。鮫洲まで行かねばならぬ。ここのところ毎回、駐車違反だの進路変更違反だの一時停止違反だの、違反続きのため3年ごとの更新である。

免許更新

 で、写真である。試験場で問答無用に撮影されるのはまっぴら御免である。あれ、ものすごく殺伐とした気分にさせられる。順番に並ばされ番号を振られるみたいに処理されて、おまけにとんでもなくヘンに写る。素人さんがアオリ気味に機械的に撮るからだろう。そんな写真を数年間自分の身分証明書として使わなくてはならないなんて憂鬱の極みである。
 だから、三年前の前回は自撮りしてインクジェットでプリントアウトしたものを持っていった。ところが係の人に、若干影が写ってるだの少し目が笑っているだのとイチャモンを付けられ、結局またあの強制写真撮影所に回されるハメになってしまったという苦い思い出がある。
 ということで、今回は満を持して街の写真屋さんでキチンと撮影してもらうことにした。自分でも写真をやるものだから、他人に撮影して貰うとなるといろいろとツッコミを入れたくなってしまうのだけれど。…こんな簡易なロール模造紙でちゃんとホリゾントになるの?フラッシュにちゃんとディフューザー付けてるの?それって、まさかズームレンズ?…でも、さすがに手慣れたもので、ササッと撮ってサササッと選ばせて、30分ぐらいでデータ付きで4枚セットに仕上げてくれた。

 出来上がって3cm×2.4cmに裁断された写真を見てみる。もちろん鮫洲の強制写真撮影所で撮るよりはマシであるが、でも、ううむ。…これはもう被写体の問題なのである。証明写真なんだからソフトフォーカスも修正もNG。被写体がリアルに写っているだけのことである。
 3年前よりまたほうれい線が深くなった?目の下のたるみも大きくなった?…寄る年波には勝てないとつくづく思う。フェイシャルマッサージにでも通うか?ヒアルロン酸注入するか?それともいっそのことそうした抗いは全部放棄して、サリンジャーのように若い頃の写真だけを残して後は全部処分してしまうのはどうか。で、高い塀に囲まれた家に隠遁し残りの人生は誰にも会わずに過ごす。…などとバカげたことまで考えてしまった。
 ちなみに、そうやってサリンジャーはけっきょく何歳まで生きたんだっけ?wikipedia で調べてみたらなんと2010年に91歳(!)で passed away。なんとも長い長い隠遁生活である。自分にはちょっと耐えられそうもない。…かと言って、フェイシャルマッサージ通いもヒアルロン酸注入も費用がずいぶんとかさみそうだし、とりあえず顔面筋肉体操(って、ただ大仰に顔の表情筋を動かしてみるだけのことですが)でも始めてみたいと思います、明日から。