京都は自分の故郷ではないが、今までの人生の中でずいぶんと関わりの深かった街である。18歳から19歳になるまでの一年間を過ごし、20代の後半になってからは東京から足繁く通った街である。今から思うとずいぶんと上っ面な京都通いではあったが。

 雑誌アンアンで特集されているような、黒ずくめのコムデギャルソンを着て(汗)、京都の老舗旅館に気張って泊まりに行くのだ。

 京都の夏は暑い。特に祇園祭の頃はうだるよう。その熱気が膨張して雨になり、その雨が上がり始める頃、祇園の白川沿いを歩くのが好きだった。辰巳神社に高下駄を履いた舞妓さんがお参りしている。
 その近くの町屋に、当時、 Tokio Kumagai のブティックが入っていた。住んでいた東京のアパートの近くに代官山の本店があったというのに、わざわざ京都まで行って Tokio Kumagai のシャツや靴を買うのだ。店内には洒落たフレンチシャンソンがかかっていた。…熊谷登喜夫さんがエイズで亡くなったのは1987年のこと。

 あれから何十年かが過ぎた。辰巳神社は変わらない。

辰巳神社

 吉井勇が詠んだ白川の川の音も変わらない。

かにかくに


 かにかくに 祇園はこひし 寝るときも 枕のしたを 水のながるる

 京都で昔、明け方に見た夢のことを想い出しながら、三条方面に向かって歩く。久しぶりにエレファントファクトリーにたどり着く。店内には静かにトム・ウエイツのデビューアルバムがかかっていた。…closing timeである。

 祇園祭の方は…去年から後祭りが復活して二度楽しめる。24日は二度目の山鉾巡行である。




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