naotoiwa's essays and photos

2017年03月

bamboo

FE Sonar 55mm f1.8 + α7s


 bamboo forest in the night.




 15年連れ添った愛車ともついにお別れの時がやって来た。元来車に関しては浮気症で、それまでは5年以上同じクルマに乗り続けたことなんてなかったのだけれど。コイツとだけはなぜだか相性がよかった。今では時代錯誤とも言える大型排気量のターボエンジン。燃費は高速で7キロ、都内を走れば4キロを切る。でも、雪上を走る時の四駆の安定性は他のどの車にも代えがたかった。コイツといっしょに雪の季節、軽井沢から万座、そして志賀高原へのルートを何度往復したことだろう。そのせいで(凍結防止剤とかで)足回りはかなり錆び付いて、マフラーもそろそろ限界。エアサスもいつ壊れるか分からぬ。

 それにしても。40歳から15年間というのは、なかなかどうして、男の人生にとってはかけがえのない時期だった。長い間、いっしょにいてくれてありがとう。。。

allroad


 なーんて、感傷的になっていてもしょうがない。家具もクルマも、新しい方がいいに決まってる?


showa

Summilux 35mm f1.4 2nd + α7s


 昭和の幻影。


tulip

Summilux 35mm f1.4 2nd + α7s


 早春。




 若い頃、隠遁とか隠棲といった言葉に憧れた。でも、今はそんなことは露ほども願わない。たぶん、年を取っていくにつれ、あと十数年もしたら実際にそうした生活もシャレではなくなると感じ始めているからだろう。裏を返せば、そう、若い頃の隠遁願望なんてものは、所詮は若気の至りのシャレに過ぎなかったのだ。
 人生の後半戦は少しずつゆっくりと枯れていきたい。つき合う人の数もほんとうに自分が好きなことも。たぶん、それが自然な老い方だ。でも、その一方で、今まで以上に雑多にいろんなことにチャレンジし続け、若い仲間たちとのネットワークを広げていけるのが理想だ。それは欲望というよりも心の糧のようなもののためであって、七十歳になった暁には、いつもニコニコ、好奇心旺盛なおじいちゃんでいたいもの。

 だから、昔から大好きなこの街の、川の流れの向こうに霞む山肌を眺めていても、ああ、そろそろこの街に戻って隠棲したいとは、今の自分は思わない。

K


fox

FE Sonnar 55mm f1.8 + α7s


 fox bride.





yellow

GR 18.3 mm f2.8 of GRⅡ


 yellow building.




 嘔吐って書くと、なにやら哲学的な響きを醸し出すのであるが、本日、朝起きたら急に気持ちが悪くなってトイレに駆け込むやいなや、名実共にゲーゲーと嘔吐してしまったのである。何十年ぶりだろう。苦しくて涙が出る。で、下痢。(汚くてスミマセン)すわ、ノロウィルスかも、と近くの内科に行った。

 「ここ二三日でなにか心当たりあります?生牡蠣とか」「…いいえ」「ふうむ、ちょっと横になってください。触診しますから」「はい」「うーん、そんなに腹部が硬くなってもいないし、押しても痛くないみたいだし」「お臍の下が張ってます」「熱もそんなにないしね」「…」「おそらくノロではないと思います」「よかったです」「でも、細菌性の胃腸炎に違いはありませんね」「…はい」「総合感冒薬と整腸剤と胃の粘膜保護剤と吐き気止めを出しておきます。今日はなにも食べない方がいいでしょう」「…はい」「それで、明日からは体から出ている状態と同じものを食べるようにしてください。水下痢の場合は水だけ、軟便になったらお豆腐とか。便が硬くなるまで固形物は食べてはいけませんよ」

 なるほど、妙に納得。でも、便を見て食べ物を決めるというのはいかがなものなのでしょう、サルトルさん。

 という訳で本日、仕事をキャンセルしてしまった皆さま、本当にごめんなさい。トイレの近くから離れられないでいるのです。

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