naotoiwa's essays and photos

2016年07月



 モラトリアムは心地良い。我々は、一度居心地のいいポジションを得てしまうとそれがずっと続かないものかと思ってしまう。このまま楽しく学生生活が送れないものか、今までと同じように仕事を続けられないものか、これから先もずっと会社経営に携われないものか、果ては、もっともっと長生き出来ないものか、という具合に。そして、社会も時代も、今まで通り大過なく続いていかないものか、たぶん続くに違いない、と決め込んでしまうのだ。

 モラトリアム。悪く言えば日和見、でも、モラトリアムって、けっこうロマンチックな代物でもある。だって、ひょっとしてこのまま、と願ってしまう訳だから。さすがに永遠、とまでは言わないけれど。でも、お生憎さま。時間は刻々と進行する。

 モラトリアムには賞味期限がある。モノによってその期限は違ってくるが、3年、5年、10年、どんなに長くでも20年。それを自覚することだ。だから、モラトリアムは定期的に必ずリセットしなくてはいけない。仮にその目的が次のモラトリアムを獲得するためであったとしても。

モンロー

F-Zuiko Auto-S 38mm f1.8 + PEN FT + X-TRA400

here

Summicron 40mm f2 + CL +Acros100


 where is here?

uzai

F-Zuiko Auto-S 38mm f1.8 + PEN FT + X-TRA400


 uzai.




 やっぱりフィルムカメラが大好きな自分にとって、36枚撮り一本税込1000円の現状はさすがにツライ。特にコダック。どうしてあのベーシックなTri-Xがこの値段なのだろう。アメリカで買うとそれほどでもないのになあ。なぜだ?
 とりあえずの対処方法は、個人輸入含めて海外からなるべく安くフィルムを仕入れること。当然のことながらモノクロ現像は自分で仕上げること(自家現像)。そしてもうひとつ、単純な話ではあるが、撮れるフィルム枚数を増やせばいいのである。フィルム枚数を倍増する。つまりはハーフサイズカメラで撮るのである。そうすれば24枚撮りは48枚に、36枚撮りはなんと72枚になる。

 オリンパスのペンFシリーズ。レンズ交換式のハーフサイズカメラである。最近この名前はデジタルで完全復活を遂げたが、その元祖がこの60−70年代の名作カメラである。

pen ft

 ずいぶん久しぶりに露出計の付いた70年代のPENのFTを使ってみた。二倍の枚数が撮れることもさることながら、このカメラ、改めていろんな点でとても新鮮。ひとつ、ハーフサイズカメラなのにずっしりと重い。標準レンズ付きで約600グラム。ひとつ、露出計のシステムが独特である。絞りをシンプルな0から6までの数字表示にしてある。そして、このファインダー。やや暗めだが、それゆえにスプリットが付いてなくてもピントが合わせやすいし、なによりもこの縦長の視界が新鮮だ。カメラのファインダーは眼の拡張であり、我々の通常の視界は横長に広がっているわけだが、それを意図的に縦長に組み換えられるのはとてもとても新鮮なのである。
 一日で72枚。撮り応えあり。デジタルカメラとほぼ同じ気軽さで撮れる。そういう意味ではこのハーフサイズカメラ、時代が巡り巡って今や最も現代的なカメラなのかもしれぬ。



 どんなことでも、上達するというのはやはり嬉しいものである。特に年を取ってから身体的な技能があがったと言われると(それが単なるお世辞だとわかっていても)ことのほか嬉しいものである。
 10年来通っているテニススクール、うふふ、上級クラスなのである。10年間よくぞ月謝を支払い続けてくれましたね、日頃のご愛顧に感謝を込めて、ということなのかもしれないし、まあ、このオッサンがこれ以上伸びることはないけれど、このあたりで打ち止め昇格ということにしておきますかっ、というコーチの親心かもしれない。

tennis

 でも、理由はなんであれ、その結果、50を過ぎてから、高速サーブをバンバン打ち込んでくるチリッチ君みたいな上級の若者たちに混じってコートを駆け回れるというのは有り難いことなのである。たまには彼らに負けないくらいの(オールドスタイルだけれど)サーブ&ボレーだって決まる。テニスを始めた若い頃に比べても、たぶん今の方が球速も上がっていると思う。
 スタイルもよくなった、かもしれない。自分で言うのもなんだけれど、ヒップラインもキュッとカッコ良くあがったような。肘は左右ともにエルボーバンドのお世話になっているけど。

 40代の頃から、意図的に「らしくないこと」をするようになった。いかにも自分っぽい自分がつまらなく思えてきた。どう見たって根っからのスポーツマンではない。でも、だからこそテニスもハードにやるし、スキーも果敢にダウンヒルに挑戦する。なにごとも意外性が大切。自分自身の文脈だって同じことなのではないだろうか。たぶんアイツならこのシチュエーションでこうするだろう、と自分を知っている人たちが予測するウラをかく。ひねりすぎて失敗することもあるのだけれど。

さるすべり

F-Zuiko Auto-S 38mm f1.8 + NEX-7


 さるすべり。


Broccolo Romanesco

Lumix 42.5mm f1.7 + GM1


 broccolo romanesco.


birra

GR 18.3mm f2.8 of GRⅡ


 夏の夜のイタリアンビール。


カモフラージュ

Summar 5cm f2 + Ⅱf + TX400


 face.


bed

GR 18.3mm f2.8 of GRⅡ


 bed.


このページのトップヘ