モラトリアムは心地良い。我々は、一度居心地のいいポジションを得てしまうとそれがずっと続かないものかと思ってしまう。このまま楽しく学生生活が送れないものか、今までと同じように仕事を続けられないものか、これから先もずっと会社経営に携われないものか、果ては、もっともっと長生き出来ないものか、という具合に。そして、社会も時代も、今まで通り大過なく続いていかないものか、たぶん続くに違いない、と決め込んでしまうのだ。
モラトリアム。悪く言えば日和見、でも、モラトリアムって、けっこうロマンチックな代物でもある。だって、ひょっとしてこのまま、と願ってしまう訳だから。さすがに永遠、とまでは言わないけれど。でも、お生憎さま。時間は刻々と進行する。
モラトリアムには賞味期限がある。モノによってその期限は違ってくるが、3年、5年、10年、どんなに長くでも20年。それを自覚することだ。だから、モラトリアムは定期的に必ずリセットしなくてはいけない。仮にその目的が次のモラトリアムを獲得するためであったとしても。
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